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仕事と学業を両立できる通信制大学

1度働き始めたら大学進学は諦めるしかないと思っている人も多いでしょう。ですが、通信制大学であれば仕事と勉強の両立が実現できるかもしれません。

通信制大学とは

通信制大学は自宅でカリキュラムをこなしていくスタイルの大学。ずっと自宅で勉強する訳ではなく、年に数回はキャンパスや指定の会場で授業を受けるスクーリングを設けているのが基本です。もちろん文部科学省に認められたれっきとした大学なので、卒業することで学士号の学位を取得できます。日本の通信制大学は1946年に学校教育法によって制度化され、その後は就職などの理由からキャンパスに通えない人たちにも学びの機会を提供してきました。今までは送られてきた教科書を使っての自習がメインでしたが、インターネットが普及した近年では自宅でも双方向の授業のやりとりが主流になりつつあります。

通信制大学の注意点

卒業率が低い傾向がある

通信制大学は、一般の大学に比べると卒業率が低いです。背景として、そもそも通信制大学を選ぶ人は大学に通うことが難しい人が多い、という事情があるからです。仕事と両立している社会人や、育児で忙しい人など、理由はさまざまです。そんな中、年に数回のスクリーニングを行ったり、勉強を続けたりすることが難しいのです。多忙でキャンパスに行くのが難しそうな場合、スクリーニングなしで卒業できる通信制大学を選ぶという道もあります。
また、自主学習のモチベーションを保つことができないという場合も多いです。「とりあえず学位が欲しい」というような曖昧な目的では、4年間勉強を続けることは難しいでしょう。友人がいないと頑張りづらい…という人は、スクリーニングで積極的に交流を深めると良いと思います。

キャンパスライフは難しい

通信制大学では基本的に自主学習なので、他の学生と交流する機会が少ないです。また、基本的に部活やサークルがなく、あったとしても一般の大学ほど盛んでないことがほとんどです。キャンパスライフを求めて通信制大学を目指す人はいないかと思いますが、活発な交流を行うということは難しいでしょう。ただし、スクリーニングで交流を深めることはできます。学生は一般の大学よりも年齢がばらばらで、さまざまな年代の方と関わることができるでしょう。意外な人脈ができる可能性も。

通信制大学の特徴

時間と場所に縛られない

通信制大学の一番のメリットは、時間と場所に縛られないということでしょう。一般の大学だと、1コマ90分もの時間がかかる上、毎日の通学も大変です。午前と午後に一回ずつ授業があって予定を組みづらい…なんていうこともあります。しかし、通信制大学の場合自主学習がメイン。自宅や仕事先のスキマ時間で自由に勉強ができます。通う必要があるスクリーニングも年数回ですし、大学によってはオンラインで受講することができます。

一般の大学と比べて入学が容易

多くの通信制大学では、入試がありません。代わりに書類審査を行うのが一般的です。また、小論文や面接を行う場合もありますが、何か大きな問題がない限り落ちることは少ないでしょう。なので、一般の大学よりも簡単に入学することができます。

学費が安い

多くの通信制大学の授業料は、4年間で100万円掛かるかどうか、という金額です。教材を用いた自主学習がメインだからです。一般の私立大学では、広いキャンパスや多くの大学教員を抱えているため、1年で100万円超えてしまうことも珍しくありません。それを考えると、非常に安いといえるでしょう。また、通学のための定期代や学食代、部活の諸費用など、地味にかかってしまう出費を抑えることもできます。

専門性の高さ

仕事をしている社会人を対象にしている通信制大学では、特定の分野を深く掘り下げたいというニーズに応えるための専門性の高いカリキュラムが用意されています。そのため、資格取得やキャリアアップにつながる実践的な知識が身につくのです。例えば東京通信大学という通信制大学は、社会的ニーズの高まりが予想される情報技術と福祉にフォーカスした2学部を用意。世代関係なく、生涯にわたって活躍できる優秀な人材の育成をめざしています。学科によっては、国家資格の取得を目指せるところもあります。

通信制大学に合格するには

前述のように、通信制大学の選考は書類審査のみで行われることがほとんど。そこまで注力して受験勉強する必要はありませんが、余裕を持って出願できるように2ヶ月くらい前から準備を始めるようにするといいでしょう。最初の1ヶ月は情報収集をしながら学校を絞り、後半の1ヶ月は願書の取り寄せなどの本格的な出願準備に回すのが理想です。ちなみに、入学時期は4 月と10月の2回に分かれているのが一般的。必要書類は大学ごとに指定されていますが、多くの大学では所定の入学志望書と最終学歴の卒業証明書、成績証明書、志望理由書、健康診断書、戸籍謄本などの提出が求められます。

まとめ

通学制の大学と異なる点は多々ありますが、通信制大学だからこそのメリットも数多くあります。「入学は簡単だけど卒業は難しい」といわれている通信制大学ですが、はっきりとした目的をもって勉強のモチベーションを保つことができれば卒業できるはずです。キャンパスに通うのは難しいけどどうしても勉強したい分野がある、という人は通信制大学への入学を検討してみるといいのではないでしょうか。

オンライン授業を受けている大学生